〜2月の終わりに〜

千歳空港に降り立つと、そこは真っ白な世界だった。

『今日は、妙に暖かなんですよ』
私達を出迎えてくださった女性スタッフの車に揺られながら、久しぶりに見る窓外の雪景色を眺めていた。
息子と毎年スキーに来ていた頃から、どのくらい時が過ぎたのだろう・・・そんなことが頭を過ぎる。それにしてもモノスゴイ降雪量だ。ニュースである程度理解していたが・・・やはり凄い!

おしゃべりに夢中になっていると、車は札幌の街中へ入っていた。1月31日・2月1日の「二夜ライヴ」に向けて札幌側の演奏者、扇柳・荒・両氏と、東京から同行してくれているピアノの西山淳子女史とで、音合わせの為、一日前に札幌入りである。無事、夕方に合わせを終えた・・・その頃から気温はだんだん下がりだしてきて・・・やはりマイナスである。明日に向けて、みんな宜しくである。

ライヴの二日間は大雪にもならず、でもハラハラと綺麗な雪が舞っていた・・・まるで歓迎の紙吹雪のように・・・
「時計台ホール」という趣のある空間での“リーディング・ライヴ”。ゆっくりと始まる夕闇と共に行われた二夜・・・開場時間の前から寒さの中、ホール前に並んでくださっ方々・・・両日ともお運び戴いた方々、札幌以外の遠くからいらしてくださった方々・・・札幌で初めて「語る」私を本当に暖かく受け入れて下さった大勢の皆様。暗幕もなく、外を走る車の音も丸聞こえ・・・といった限られた環境のなかで、そこに集ってくださった方々との不思議な魂の一体感を感じたのは・・・何であったのだろう? こんなにもイマジネーションの世界を求めて下さっている人達がいるのだ!と私に更なる勇気を与えてくれた札幌ライヴであった。設備も十分ではない会場で、素敵な灯を造り出して下さったスタッフの皆様方もお疲れ様でした。

翌日2日は待ってましたとばかりの吹雪・・・高速道路は通行止め。その中私は鉄道で旭川へと向かった。久しぶりに井上靖氏の記念館の方々お会いしてから共生園(特別養護老人ホーム)へ伺い、少しだけリーディングをさせて頂いた。思いもよらない事、皆さんが私のために作ってくださった千羽鶴(実は500羽鶴・その訳は? この次に伺うことをお約束して、合わせて千羽)を戴いて・・・胸いっぱい。そして再び千歳に戻り、最終で羽田へ。札幌の3日間を無事終えた。

北の大地は極寒であったが、人の心は限りなく熱く、私の心は今、またそこへ引き戻されている。
本当にありがとうございました! 必ずまた伺います!

 


pictures by Atsuko Nishiyama

 

2006年2月24日 Terumi Niki

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