▲オリーブの花

 子供の頃、新しい長靴を買ってもらうと、<早く雨が降らないかなー>と空を見上げていた。大人になってもその癖は治らず・・・新しい傘を買い求めると、<明日雨が降ればいいのに>と空を見上げる。
雨は昔から嫌いではなかった。何だか心がホッと落ち着いて穏やかになれる気がする。
子供の頃もそうだった・・・。雨降りには雨降りの為の遊びがあった。“きいち”のぬりえや紙の着せ替え人形・・・弟を相手に雨音を聞きながら、時間を過ごしていた。
畳に寝ころんで・・時々縁側の向こうに目を向けると、斜めに見える庭の真ん中にはグミの樹があった。そこに降る雨を見ていると、何だかずっと、ずっと、このままの平和な時間が永遠に続く様な気がした。
あれから・・どの位の時間が過ぎたのだろう・・・セピア色の記憶になった。
パソコンを打つ私の足元で老犬が気持ち良さそうに昼寝をしている。下ろしたての花ござのラグの上で。

子供の心がバラバラになってしまった事件を連日のように聞かされる・・・何だ胸のどこかがチクチクと切なくなる。
映画『赤ひげ』の中で荒んでしまった“おとよ”を見ながら若い医者が泣きながら呟くシーンがある・・『お前は、本当は良い子なのにな・・』ふと、そのシーンが私の頭に蘇ってきた。
忙しすぎる子供達の生活・沢山の事を考えなければならない子供達の心・・ただの“子供”ではいられない子供たち。
雨降りの一日を雨音を聞きながらゆっくり過ごさせてあげたいと思ってしまった。必ず大人になる日は来るのだから。
青い梅の季節だよ!
ほら、ホウズキが青い小さな実を付けた!
紫陽花の種類いくつ知ってる?

鎌倉に来て、3度目の梅雨を迎えた。

 


▲お昼寝ムッシュ

 

2006年6月23日 Terumi Niki

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