今年も、また暮れて行きます。

12月は、幾つかの“リーディングライヴ”がありました。その演目に、菊池寛原作の『身投げ救助業』という、明治5年に書かれた彼の処女作を選びました。老婆が主人公の、少し風刺的な作品です。
何故、これを選んだのか・・今や私の憧れの方、 玄侑宗久氏がエッセイの中で“気になる作品”として上げておられたのです。早速読み、面白くて取り上げました。生と死の狭間でモノを見つめられている宗久氏にとって、確かに気になる内容だと、私も同感いたしました。(ご興味のある方は、どうぞ!)

今年は沢山の小さな命が失われました。なんとなく、胸のつかえが取れぬままで・・・悲しいです。12月は、クリスマスをはさんで10日間程、私は東京での仕事が重なったので、老犬を伴って実家で過ごす事になりました。本当に何年ぶりかで・・イエ、十数年ぶりかで、両親と共にクリスマスイヴを過ごす事になったのです。富山のレストランから取り寄せたというハーブの香り豊かなチキンを頂きながら、父のセレクトした古いクリスマスソングを聴きながらの食事・・・何だか、一瞬小さな子供の頃に帰ったようでした。すっかり“娘”をしていました。
父は来年、年男の84歳・母は77歳・・・傍らには私の元で13年過ごしている老犬ムッシュ氏が横たわっていました。
やはり、時は流れたのだな・・二人ともやはり年を重ねたのだな・・自分の事を棚に上げて、そんな事を考えたのです。

そして今私は思います。年を重ねるという事は、素敵なことだと・・・。
悲しみや、苦しみ・恨み・妬み・・・どうする事もできない人間社会のモガキ・・・・でも時間というものが浄化してくれるのかな・・・そんな事を感じるのです。どんな事にも”時”というものが必要なのだと・・多分それが年を重ねていく事なのでしょう。様々な沢山の網をくぐり抜けながら、気づかされて・・そして全てを許していけるのでしょう。
年の暮れに偶然にも両親と過ごした不思議な時間・・そして今、老犬の介護をしながら、人が何かの力によって生かされ、学ばされていることを強く感じます。数年前に癌で逝ってしまった大切な友人は、“冬至”が誕生日でした。ゆず湯に浸りながら、たった1度の人生を・決して無駄にしてはいけない!と強く思いました。生かされている全てが必要な時間。一瞬、一瞬が。
新しい年、何が待っているのでしょう?
自分を信じて!楽しい事だけを思い描いて!歩いてみます。
今年も沢山の応援ありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
どうぞ、良いお年をお迎え下さいませ!

2006年12月31日 Terumi Niki

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