「雨」が心にしみ込んでいきます。・・・心がほどけて行くようです。
都会は狂いそうな暑さでしたが・・・鎌倉ではその暑さの中で小さな虫の声が聞こえ始めています。
いつの間にか過ぎていた「処暑」と言う言葉をかみ締めていました。

すっかりご無沙汰をしてしまいました。ごめんなさい。
7月は名古屋で1ヶ月間の舞台公演でした。
名古屋から情報を・・・と張り切ってノートPCを持参しましたのに。バタバタと時間がどんどん過ぎていきました。

何十年振りかで訪れた名古屋は見事に様変わりしており、『おう! コレがあの話題になった‘高島屋’?』『この高いビルは?えっ!あの不思議な形の建設中のビル、モード学園なの?』すっかりオノボリサンの私でした。朝の楽屋入りは、まるで巨大な水族館の魚の群れのごとく歩いている通勤の方々に混じり、なるべくその流れに逆らわぬよう進む(コレが少々大変)。私の一日の始まりでした。

水族館・・・と言えば連日の公演の中で<1回昼のみ>という日が数回ありました。その1日を使って希望者少人数で「名古屋港水族館」を訪れたのです。
なんと! その日、閉館間際私たちは、話題になっていたベルーガ(シロイルカ)の出産に遭遇したのです。最後まで見届ける事が出来ませんでしたが、母体から可愛い尾びれが出始めている光景を目にした時は、なんとも・・・何処かの親戚のお姉さんの出産をドキドキしながら見守る思いでした(笑)。そしてイルカは尾びれから4時間もかけて出産する事を始めて知りました。
翌日の朝刊を真っ先に見て、その場に居合わせた事の幸せを仲間と喜び・楽屋では鼻高々に皆さんに報告した次第です。

そんな嬉しいことに遭遇した私でしたが・・・その1週間後・・・。
家族が、意識不明のとんでもない怪我をした!という連絡が私の元に飛び込んできました。・・・数日間どのように舞台を勤めていたのか・・・記憶が飛んでいます。ほとんど昼夜2回公演でしたので、東京に戻る事も出来ず・・・ただひたすら、電話で経過報告を待つしかありませんでした。
現在は何とか快復に向かっていますが・・・楽観はまだ出来ません。人生、何時、何が起こるかわからない・・・身をもってかみ締めた、私にとって長い・・・暑い、暑い、夏でした。
自分の痛みや苦しさは、何とか乗り越えられても・・・思いを掛けている身近な人間の痛みは・・・心の葛藤は、どうする事も出来ない。改めてそんなもどかしさを痛切に感じています
ただ、人生すべてが「必然」。そして出会った事を学べる組と学べない組に分けられている・・・なんだか人生の仕組みってそんな単純構成なのではないか・・・ふと、そんな事を考えたりもしました。

私だけでなく、誰にとっても今年の夏は酷暑でした。そして、理不尽な出来事が沢山ありました。
どんな風に・・生きたらいいのか・・・どんな価値観を持って生きたらいいのか・・・分からなくなる事が多すぎるような世の中です。

私は9月早々に北の大地へ行って参ります。
また新たな出会いが待っていてくれると思います。
後ろを振り返らず、その目の前に置かれた現実と向き合える事・・楽しい事も、辛い事も、悲しい事も、もどかしい事も・・・・
少しでも、そんな人間になれたらと・・・涼しい空気の中で考えてみたいと思います。
みなさま、夏の疲れが出ませぬように! 7月のご無沙汰のお詫びに出来るだけ北海道の情報をお送りするつもりです。

 

*今月の写真は、ハーブ、“フレンチタラゴン”です(オリーブオイルに入れて香りを楽しみます)。

2007年8月29日 Terumi Niki

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