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思わず遠赤外線のストーブを引っ張り出してきた。
つい、この前まで<本当に涼しくなるのかしら!?>と腹立たしげに思っていた自分が恥ずかしい程の・・・この極端な気温の変化。今年の気候はやはりどこか、怪奇だ。
小雨の中、第三京浜を走らせ鎌倉へ向かった。
鎌倉彫の稽古日である。時間がある限り、小刀と向き合う時間を大切にしたいと思っている。木は正直である。こちらの気持ちが揺らいでいる時は、彫りも中途半端になってしまう。生地の坂目に出会うと・・・まるで木に試されているような気持ちになる<さぁ、刀(トウ)をどう使う?>ニッチもサッチも行かなくなると「先生〜」と助けを求め師匠に泣きつく私・・・。そんな自分になれることも嬉しい時間である。一手、二手彫りを入れて頂くと突然生地に書かれた模様が動き出す。竹が凛と竹らしくなり、花が香り出す。その魔法の手さばきを、ずっと見続けていたくなる。
夏休み前に仕上がった、筆立てが仕上がってきた。紋帖から「桜」の図案を選んだ。
漆を掛けて頂くと、彫りの未熟さが浮き彫りになる。
芸の道も・・・どこか通づるところ有りだ・・・決して正解の無い表現の世界・・・。
気がつくと、私はいつも、そんなものに引っ張られているような気がする。
たまには1+1=2と言う世界も私には必要なのかも?知れない(笑)

迷い鳥『吉太郎』はいたって元気。
小鳥の健康診断とやらがあるそうで・・・冬を迎える前に受けさせるか?と親バカになりつつある私である。

2008年10月1日 Terumi Niki

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