2009年4月

すっかり、ご無沙汰になっていました。
久々の更新です。気が付けば4月になってしまいました。

まだまだ寒さの真っ只中、2月から始まったお稽古を含めて約二ヶ月間・明治座公演『三平物語』に従事しておりました。
いつも長期公演が終わると思います。
「長かったのに終わってしまうと、束の間・・・」
ただ、今回の公演はことのほか思い出深いものになっています。
なんといっても<WBC>があり、<東京マラソン>の交通規制がありと・・なんとも楽屋内も賑々しい雰囲気でした。
WBC期間中は出演者スタッフ一同、自分の役目、出番が終わると楽屋のモニターにかじりつき、あっちの楽屋、こっちの楽屋から応援の声が飛び交う日々。
私も漏れなく奇声を上げておりました。
満席のスタジアム・劇場・・・。
そこで繰り広げられる緊張のドラマには、何処か共通するところがありそうで・・・。
舞台にもマウンドにも魔物は居るものです・・・(笑)。

今回は風間杜夫氏が林家三平を演じ、絶品でした!
後半の10数分語る『落語』は子供の頃見知っていた“林家三平”に重なるほどです。
普段から、『落語』には通じている風間氏。正に「好きこそ、ものの〜」です。

舞台出演は、昨年の12月紀尾井ホールに続き、明治座出演は『近松心中物語』以来10年ぶりでした。
あっ! なんと同じ「物語」でした・・・。
思えば私の初舞台は、やはり明治座です。5歳の頃、今は無き辰巳・島田コンビの「新国劇」公演に出演したのが初めての舞台出演。
建て替える前の古い劇場でした。
母と劇場に毎日通ったのですが・・・どんなルートで行ったのか?今のように地下鉄も便利ではなく、銀座線のみ。
「どうやって通ったのかしら? 何だか大分、歩いたわねぇ〜」と母も記憶が薄れています。

いつも訪れる、初日のあのなんとも言えぬ静かな興奮は・・・遠い昔の初舞台の記憶なのでしょうか・・・。

TVや映画とは違うライヴの醍醐味・・・客席に全身をさらけ出して役を演じる怖さを感じながら、その緊張感の魅力に囚われてしまう・・・つくづく不思議な世界です。
稽古期間を入れれば2ヶ月近い歳月、家族よりも顔を合わせている時間の長かったスタッフ・キャスト達、一つの演目が終われば皆、其々に其々の仕事場へ戻って行きます。また何時か、何処かで・・・。名残りを引きずらない妙な付き合い方。

公演中、丁度お彼岸を迎え、愛犬ムッシュの一周忌も過ぎました。
1回公演だけの日、終演後その足で仏具屋さんで彼の為に小さな「鈴」を求めました。
『たまゆら』というその名が可愛らしくて・・・。
今月、いよいよ納骨を決めました。
彼の逝った昨年は桜が満開でしたが、今年はまだまだ桜のトンネルまでには時間がかかりそうです。
少し、ゆっくりしたいな・・・ふーっと緊張の解けた私です。

2009年4月1日 Terumi Niki

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