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“すげー。還暦ですって”
娘からこんなBirthdayカードが届いた。
『そうなんだぁ!』
本人が一番戸惑っている。
母の日が来て・私と娘の誕生日が続く……5月は忙しい月である。
20歳を3回も過ごして来たわけなのだ。

還暦とは:干支(十干十二支)が一巡りし起算点となった年の干支に再び戻る事。
その昔、魔よけの意味で<産着>に赤が使われたことから、再び生まれた時に帰ると言う意味で赤いモノが贈られる習慣ができた。

確かに皆から、<赤いモノ>を頂き、60歳の時を無事迎えることができた。
感謝の一言である。
子供の頃、“60歳”と聞けば、どれだけのお婆さんだろうと思った。
そして、自分にそんな時が来るなど……宇宙の果てのように想像もできなかった。
しかし、アッサリト?現実は目の前にやって来た(笑)。
でも……そんなにお婆さんにはなっていない自分が居る。
父は86歳・母は80歳……その二人だって、お陰さまで元気である。
とにかく、60年間生かされてきたこの命に感謝して、60の背番号を付けた自分を少しだけ褒めてあげようかと思っている。

そして本当に、本当にお陰様である。とつくづく思うのである。
沢山の人々に出会い、支えられ、励まされ、或いは苦言を頂きながら、私は今を生きている。
いや、生かされている。そんな事が漠然とでは無く、少しづつ雲が晴れていくように……見えてきたような気もする。
60年間生きてきたとは……そういうことなのだろうか……。
この先、力を入れず、あるがままを受け入れながら可愛いお婆さんになりたいいものだ。

この、還暦とどう繋がるのか??
実はイベント多き5月に、また一つ記念日ができた。

5月5日 我が家に家族が増えた。
保護センターに捨てられていた犬の里親になった。
重い腰を上げムッシュの納骨を済ませ、また違った寂しさが私の心を取り巻いていた4月末、ひょんな事からドッグレスキューをなさっているご近所の方と巡りあった。偶然にも、その方が亡くなった祖母をよく知っていてくださったことも分かり、お散歩がてらお宅へお邪魔して保護をしているワンちゃんと対面してしまった。
7歳のヨークシャテリアの男の子。私の心は落ちた……。
バケツに5匹押し込められて捨てられてあったという。その1匹。頭には小さな怪我もあり、おしっこまみれ、泥まみれだったとか……。
そんな訳でシャンプーをしてもらい、汚い毛を丸刈りにされているので、まるで対面した時は仔犬のようだった。
ロクロク食事も与えられていなかったようで、痩せている。もともと小さい犬種であるが、2キロにも満たない華奢な体は痛々しい。
不規則な仕事でもあり、両親にも負担はかけられないが、家族会議の末、何とか了承してもらえた。
無事、我が家の子になった。
子……といっても多分私と大して年は変わらないのでは?
還暦同士、歩いてみようと思う。
5月の出会いで、「May」と名づけた。
辛く、心細かったのだろう……私にも、両親にも甘えている。
取り留めた小さな命、再び不幸になることなく、見守って上げたい。
5月の風と共に不思議なお客様になった。


2006年5月17日 Terumi Niki

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